無添加ドレッシング・マヨネーズとは?市販品の添加物と選び方

無添加トリビア

無添加ドレッシング・マヨネーズとは?市販品の添加物と選び方

食品表示基準は「マヨネーズ」を、食用植物油脂が原材料と添加物の重量の65%以上を占め、使える原材料と添加物が限られた半固体状ドレッシングと定めています。乳化剤や増粘剤を加えた商品は、この名称を使えません。一方で売り場には「無添加」を掲げるドレッシングやマヨネーズも並び、何を使っていないのかは商品ごとに違います。

この記事は、消費者庁と農林水産省が公開している情報をもとに、表示の読み方と選び方を整理したものです。法令である食品表示基準の定義と、任意の規格であるJAS 0955:2024の定義は内容が少し違うため、分けて説明します。

ドレッシング・マヨネーズの「無添加」表示とは

これらの調味料にも、消費者庁が2022年3月(令和4年3月30日)に策定した「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」の考え方が当てはまります。不使用表示を一律に禁じるものではありませんが、対象を明示しない単なる「無添加」など、表示を作る際に注意すべき10の類型が示されています。事業者の表示の見直し期間は2024年3月末までとされていました。「無添加」の一言では、乳化剤なのか着色料なのか保存料なのかが分からないため、原材料表示で具体的に何を使っていないのかを確かめるのが基本です。

ガイドラインでは、「〇〇無添加」を健康や安全と結び付ける表示も注意すべき類型に入っています。無添加であることと、体によいことや安全であることは別に考える必要があります。

一般的な市販品に使われがちな添加物

乳化剤

消費者庁の資料では、乳化剤は食品に乳化、分散、起泡などの目的で使われる添加物と定義されています。混ざりにくい油と水をなじませる役割です。マヨネーズは卵黄または全卵を使うことが定義に入っており、乳化剤は使える添加物に含まれていません。卵を使わないドレッシングでは、乳化剤を加えている商品があります。

増粘剤

とろみをつけて食材にからみやすくする、あるいは食感をそろえる目的で使われることがあります。原材料欄では「増粘剤(キサンタンガム)」のように、物質名に用途名を添えて書かれます。とろみのあるタイプの商品では、原材料欄で有無を確かめてみてください。

保存料・酸化防止剤

油を使った調味料は酸化による劣化が起こりやすいため、保存性を高める目的で使われることがあります。なお、食品表示基準のマヨネーズの定義には保存料も酸化防止剤も含まれていないので、規格上マヨネーズには使えません。ドレッシングでは商品ごとに異なるため、原材料欄で確認します。

マヨネーズは食品表示基準で中身が決まっている

「マヨネーズ」と名乗れる商品の中身は法令で決まっています。食品表示基準はマヨネーズを、半固体状ドレッシングのうち卵黄または全卵を使ったもので、食用植物油脂と食酢(またはかんきつ類の果汁)を必須原材料とし、原材料と添加物に占める食用植物油脂の重量の割合が65%以上のものと定義しています。使ってよい原材料と添加物も限定されており、そこに含まれるのは卵黄・卵白・たんぱく加水分解物・酵母エキス・食塩・砂糖類・蜂蜜・香辛料と、調味料(アミノ酸等)・酸味料・香辛料抽出物だけです。

このうち酵母エキスとたんぱく加水分解物は、食品表示基準では風味原料という食品の扱いです。添加物ではないので、原材料欄では添加物の区切りより前に書かれます。

裏返すと、乳化剤・増粘剤・保存料・着色料を加えた商品は規格上マヨネーズと名乗れません。消費者庁が10類型を図で示した資料(イラスト版)では、「食品添加物の使用が法令で認められていない食品への表示」の例としてマヨネーズの「香料無添加」が描かれています。マヨネーズには調味料(アミノ酸等)・酸味料・香辛料抽出物以外の添加物は使えず、使えない添加物を無添加と書くことは実際より優良だと誤認させるおそれがある、という説明です。ガイドライン本文でこの類型の例に挙がっているのは、清涼飲料水のソルビン酸と、名称の規定がある食品で定義から外れる添加物の不使用表示です。マヨネーズの「〇〇無添加」表示は、規格上もともと使えない添加物を指している場合があるので、何が対象になっているかを確認してみてください。

ドレッシング・マヨネーズの添加物を比べる

マヨネーズ・サラダクリーミードレッシング・ドレッシングタイプ調味料の定義の図

次の表は食品表示基準の定義にもとづいています。

添加物主な役割原材料表示での書かれ方マヨネーズに使えるか(食品表示基準の定義)
乳化剤混ざりにくい油と水をなじませる「乳化剤」と一括名で表示使えない(サラダクリーミードレッシングには使える)
増粘剤(糊料)とろみをつけ、食材にからみやすくする「増粘剤(キサンタンガム)」のように用途名を併記使えない
酸味料酸味を加えて味を調える「酸味料」と一括名で表示使える
調味料(アミノ酸等)うま味を補う「調味料(アミノ酸等)」と一括名で表示使える
着色料色みを整える「着色料(カロチン)」のように用途名を併記使えない
保存料保存性を高める物質名に用途名を併記使えない

同じ売り場でも、名称欄が「マヨネーズ」なのか「サラダクリーミードレッシング」なのかで、使える添加物の範囲が変わります。名称欄は規格に沿って書かれているので、原材料欄と合わせて見ると中身の見当がつきます。

名称(食品表示基準)主な条件使える添加物の範囲
マヨネーズ半固体状、卵黄または全卵を使用、食用植物油脂65%以上調味料(アミノ酸等)・酸味料・香辛料抽出物のみ
サラダクリーミードレッシング半固体状、食用植物油脂10%以上50%未満乳化剤・糊料・調味料(アミノ酸等)・酸味料・着色料・香辛料抽出物
ドレッシングタイプ調味料食用油脂を原材料に使っていない区分としての限定は本文の対象外(原材料欄で確認)
ノンオイルドレッシングドレッシングタイプ調味料のうち、製品100gあたり脂質3g未満同上

JAS 0955:2024のマヨネーズは別の定義

食品表示基準とは別に、農林水産省の「ドレッシング」のJAS規格(JAS 0955)にもマヨネーズの基準があります。1975年10月4日に制定され、2024年8月30日に改正されたものです。JAS規格は格付を受けた商品に当てはまる基準で、使える原材料も食品表示基準とは一致しません。この記事でマヨネーズに「使える」「使えない」と書いている箇所は、食品表示基準の定義を指しています。

項目食品表示基準の定義JAS 0955:2024の基準
位置づけ「マヨネーズ」と表示する商品すべてJASの格付を受けた商品
油脂の割合食用植物油脂65%以上油脂含有率65%以上
水分定めなし30%以下
原材料食用植物油脂、食酢またはかんきつ類の果汁、卵黄、卵白、たんぱく加水分解物、酵母エキス、食塩、砂糖類、蜂蜜、香辛料食用植物油脂、醸造酢およびかんきつ類の果汁、卵黄および卵白、たん白加水分解物、食塩、砂糖類、蜂蜜、香辛料(酵母エキスは含まれない)
添加物調味料(アミノ酸等)・酸味料・香辛料抽出物CODEX STAN 192の規定に適合し、使用量を記録・保管し、消費者に情報を伝えられるもの

マヨネーズの伝統的な原材料とシンプルな処方

マヨネーズは卵・食用油・酢・塩といった素材だけで作れる調味料です。無添加を掲げる商品の多くは、この基本の原材料で構成されているようです。原材料欄の項目が少ない商品は、こうした基本の材料に近いものと見当をつけられます。

無添加タイプの特徴

乳化剤・増粘剤を使わないドレッシングは、時間が経つと分離して見えることがあるといわれます。使う前の扱い方や、分離した場合に使ってよいかは、パッケージやメーカー公式の説明に従ってください。保存料を使っていない商品の開封後の使用期間も、商品ごとの表示で確認します。

市販のマヨネーズが日持ちする理由

保存料を使っていない市販のマヨネーズでも、未開封なら常温での保存を表示している製品があります。規格を見ると、食品表示基準では食用植物油脂が65%以上を占め、必須原材料として食酢またはかんきつ類の果汁が入ります。JAS 0955では水分30%以下という基準もあります。こうした組成と日持ちの関係については、公的な規格文書には説明がないため、保存方法は各商品の表示で確認してください。

開封後は空気や水分が入るため条件が変わります。保存方法と使用期間はパッケージの表示に従い、料理に使ったスプーンを容器に戻さないなど、中身に別のものを持ち込まない使い方を心がけたいところです。

手作りドレッシングとの違い

油・酢・塩・こしょうを混ぜるだけのドレッシングは家庭でも作れます。添加物を使わずに済む一方、保存料を含む市販品とは条件が違うため、作る量を少なめにして早めに使い切るのが無難です。市販の無添加タイプは、油の種類や配合で仕上がりを整えていると考えられますが、詳しい処方は各メーカーの公開情報で確かめてください。

選び方のポイント

  • 名称欄が「マヨネーズ」「サラダクリーミードレッシング」「ドレッシングタイプ調味料」のどれかを見る
  • 原材料表示の項目数を確認し、乳化剤・増粘剤・保存料の有無をチェックする
  • 「〇〇無添加」とあれば、その添加物がもともとその食品に使えるものかを考える
  • 開封後の賞味期限を確認し、早めに使い切る
  • 冷蔵保存が必要かどうか、パッケージの保存方法表示を確認する
  • 油の種類(菜種油・米油・オリーブオイルなど)も味の好みに関わるため、あわせて確認する

よくある質問

無添加マヨネーズは分離しているけど大丈夫?

状態の見方は商品ごとに異なるため、パッケージやメーカー公式の説明を確認してください。異臭や異常な変色がある場合は使用を控えてください。

味は一般的な商品と変わる?

原材料の構成によって風味は変わります。感じ方には個人差があるので、少量のものから試すと選びやすくなります。

開封後どのくらいで使い切るべき?

公的な規格には開封後の目安は定められていません。商品によって異なるので、パッケージに記載されている保存方法と使用期間を確認してください。

子どもに使っても大丈夫?

マヨネーズは卵を使用しているため、卵アレルギーがある場合は注意が必要です。添加物の有無にかかわらず、原材料表示でアレルゲンを確認したうえで与えるようにしてください。

「マヨネーズ」と「マヨネーズタイプ」は何が違う?

食品表示基準の規格を満たすかどうかです。卵黄または全卵を使い、食用植物油脂が65%以上で、認められた原材料と添加物だけで作られたものが「マヨネーズ」です。油を減らしたり乳化剤や増粘剤を加えたりした商品は、規格から外れるため別の名称で売られます。名称欄を見れば区別がつきます。

ノンオイルドレッシングは添加物が少ない?

油が少ないことと添加物が少ないことは別の話です。ノンオイルドレッシングは100gあたりの脂質が3g未満のものを指す区分で、油が減った分のとろみや味を補うために増粘剤や調味料が使われている商品もあります。脂質量と原材料欄は分けて確認してください。

マヨネーズの原材料欄に酵母エキスがあるのに無添加と書かれているのはなぜ?

酵母エキスは食品表示基準では風味原料という食品の扱いで、添加物ではありません。食品表示基準のマヨネーズの定義でも、使える原材料に含まれています。表示の対象が何かは、商品ごとに原材料欄で確かめてください。

JASマークのついたマヨネーズは何が違う?

JAS 0955:2024の基準を満たして格付を受けた商品です。油脂含有率65%以上に加えて水分30%以下の基準があり、使える原材料も食品表示基準の定義とは一部違います。たとえば酵母エキスはJAS側の原材料の一覧に入っていません。

食品ジャンル別の選び方の記事
ドレッシングやマヨネーズでは、乳化剤や増粘剤など、ほかの食品とは確認する添加物が違います。無添加表示が指す範囲も商品ごとに異なります。

まとめ

ドレッシング・マヨネーズの「無添加」表示は、乳化剤・増粘剤・保存料のうちどれを対象にしているかが商品によって異なります。マヨネーズは食品表示基準で定義が決まっており、そもそも使えない添加物もあります。JAS 0955:2024の基準はそれとは別のもので、格付を受けた商品に当てはまります。名称欄と原材料欄を合わせて見て、普段の食卓に合った一本を選んでみてください。

ドレッシングやマヨネーズに限らず、「無添加」表示が何を指すのかは「無添加」の表示ルールの解説で整理しています。

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出典(確認日 2026年10月4日)

  • 消費者庁「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」(令和4年3月30日) https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_220330_25.pdf
  • 消費者庁「表示を作成する際に注意すべき10類型(イラスト版)」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/food_additive/assets/food_labeling_cms204_220701_03.pdf
  • 内閣府「食品表示基準」(平成27年内閣府令第10号) e-Gov法令 https://laws.e-gov.go.jp/api/1/lawdata/427M60000002010
  • 消費者庁「食品表示基準について」別添 添加物関係 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_260401_09.pdf
  • 農林水産省「ドレッシング JAS 0955:2024」 https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_standard/attach/pdf/index-365.pdf
  • 農林水産省「ドレッシングの日本農林規格の一部を改正する件 新旧対照表」 https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/attach/pdf/kokujikaisei-546.pdf

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