焼き芋の輪切りと果物、手作りクッキーを盛った子どものおやつのイメージ

無添加トリビア

子どものおやつを無添加で選ぶ 市販菓子の添加物と与え方の基本

平成26年から令和元年までの6年間に、食品を誤嚥して窒息死した14歳以下の子どもは80名で、そのうち5歳以下が73名と9割を占めていました。消費者庁はこの分析をもとに、豆やナッツ類など硬くてかみ砕く必要のある食品は5歳以下の子どもに食べさせないよう呼びかけています。子どものおやつを考えるとき、添加物の有無より先に確認したいのがこの点です。

そのうえで、幼児期の間食は「ご褒美」ではなく食事の一部として位置づけられています。この記事では、公的なガイドラインと調査が示す間食の役割、窒息を防ぐための注意、市販のおやつを無添加の視点で選ぶときに見ておきたい表示を、公開情報にもとづいて整理します。

おやつは「食事の一部」という位置づけ

「幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド」(令和4年3月確定版)は、令和3年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)による研究成果です。このガイドは、幼児は胃の容量が小さく消化機能も未熟なため、3回の食事だけでは必要なエネルギーや栄養素を摂りきれないことがあり、間食がその不足分を補うと説明しています。挙げられている注意点は次の3つです。

  • 間食は食事の一部であり、1日3回の食事で補えないエネルギーや栄養素を補う内容が望ましい
  • 与えるなら時間を決めて1日1〜2回とし、生活のリズムを整える
  • 市販菓子の与えすぎには注意する

「甘いお菓子をだらだら与えない」「時間を決める」は、しつけの話である以前に、栄養と生活リズムの面から見た基本方針ということになります。

むし歯予防の観点から見た間食の与え方

厚生労働省の平成27年度乳幼児栄養調査によると、2〜6歳児のうちむし歯が「ある」と回答した保護者の割合は19.2%でした。同じ調査で、間食を「時間を決めてあげることが多い」と答えた保護者は全体で56.3%です。

むし歯の有無別に間食の与え方を比べた結果は次のとおりです。2015年の調査なので数字はやや古く、あくまで回答の差であって因果関係を示すものではありません。

間食の与え方(平成27年度調査) 傾向
時間を決めてあげることが多い むし歯のない子の保護者で58.7%。むし歯のない子のほうが高い
間食でも栄養に注意している むし歯のない子11.4%、むし歯のある子8.0%
欲しがるときにあげることが多い むし歯のある子の保護者で27.2%。むし歯のある子のほうが高い
甘い飲み物やお菓子に偏ってしまう むし歯のある子の保護者で21.7%。むし歯のある子のほうが高い
スナック菓子を与えることが多い 15.5%と15.8%で、むし歯の有無による差は小さい

時間を決める、甘いものを少なくする、栄養に注意するの3項目は、むし歯のない子の保護者のほうが高い割合でした。何を選ぶかと同じくらい、いつどう与えるかが分かれ目になっていることが読み取れます。

市販の菓子に使われがちな添加物と一括名表示

消費者庁の期限表示ガイドライン(食品表示基準Q&A別添)は、スナック菓子を品質の劣化が比較的穏やかな「賞味期限」表示の食品の例に、生菓子類を劣化が早い「消費期限」表示の食品の例に挙げています。菓子といっても日持ちの前提はさまざまで、長く保存するタイプほど保存性や見た目、食感を整える添加物が使われやすくなります。原材料表示を読むときに知っておくと役立つのが、次の一括名表示です。

一括名で表示されるもの 主な役割 お菓子での使われ方の例
香料 香りをつける 合成・天然を問わず「香料」とだけ表示されることが多い
乳化剤 水と油を均一に混ぜる チョコレート、クリーム系の菓子で食感を整える
膨張剤(ベーキングパウダーなど) 生地をふくらませる 焼き菓子、蒸し菓子
調味料(アミノ酸等) うま味を補う スナック菓子の味付け
酸味料 酸味をつける、pHを調整する グミ、ラムネ、清涼菓子

これらは個別の物質名でなく用途をまとめた名称で表示してよいとされているため、「乳化剤」とだけ書かれていても、何という物質かは原材料表示だけでは分かりません。原材料表示の読み方の基本は原材料表示、どこから読めばいいのか迷ったときの見方で扱っています。

着色料・保存料は用途名併記が必要な添加物で、使われていれば「着色料(赤色◯号)」のように表示されます。なお食品表示基準は、添加物の表示で化学的合成品と天然物に差を設けていません。

「無添加」「不使用」の表示は、食品表示基準に特段の規定がない任意表示です。消費者庁の不使用表示ガイドラインは、単に「無添加」とだけ書くと何を添加していないのかが不明確で、消費者が推察することになると整理しています。「無添加」の文字があっても、乳化剤や香料まで含めて何も使っていないとは限りません。何を使っていないと具体的に書いているかを確認するのが基本です。

アレルギー表示と特定原材料

菓子類は卵・乳・小麦を使うものが多く、特定原材料の表示対象になりやすい食品です。特定原材料は現在9品目(えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生、カシューナッツ)で、原材料表示または個別表示で確認できます。

カシューナッツは令和8年4月1日付で表示義務の対象になりました。令和10年3月31日までに製造されたものには経過措置があるため、しばらくは旧表示の商品も店頭に並びます。ナッツ類やピーナッツを使った菓子は、アレルギー表示とは別に、次に説明する窒息のリスクからも年齢に応じた判断が必要です。

硬い豆・ナッツ類は5歳以下に食べさせない

【安全に関する注意】 消費者庁は「豆やナッツ類など、硬くてかみ砕く必要のある食品は5歳以下の子どもには食べさせないでください」と呼びかけています。小さく砕いた場合でも、気管に入りこむと肺炎や気管支炎になるリスクがあるとしています。兄や姉が豆やナッツ類を食べていて欲しがっても、食べさせないようにします。

消費者庁が人口動態調査を分析したところ、平成26年から令和元年までの6年間に食品の誤嚥による窒息で死亡した14歳以下の子どもは80名、うち5歳以下が73名でした。原因食品が明らかな51名のうち最も多いのは乳(17名)で、次いでゼリー・ドーナツ・あめなどの菓子類(13名)でした。

これとは別に、平成22年12月から令和2年12月末までに医療機関ネットワーク事業へ寄せられた事故情報は164件あり、入院37件、死亡1件を含みます。原因食品は菓子類が最も多く(61件)、豆・ナッツ類は31件でした。報告された事例には炒り豆やアーモンドなどがあり、0歳や2〜4歳の子どもも含まれています。

支援ガイドが挙げる「乳歯が生えそろう3歳頃まで」は、弾力のあるものやピーナッツ・大豆などに配慮が必要な時期の目安です。消費者庁の資料によると、かむ力は3歳頃に大人に近づくものの、かむ力と飲み込む力を協調させて食べられるようになるのは6歳頃とされています。3歳を過ぎたから硬い豆やナッツを解禁してよい、という意味ではありません。

食べるときの環境も大切です。支援ガイドは、食べる時に遊ばせない、泣かせない、仰向けに寝た状態や歩きながら食べさせないことを挙げています。消費者庁は、ミニトマトやブドウなど球状の食品を丸ごと食べさせると窒息のリスクがあるとし、4等分するなどの工夫を勧めています。

年齢別に見る間食の考え方

公的資料に年齢ごとの細かな区分表があるわけではないため、ここでは確認できた目安だけをまとめます。

時期の目安 間食の考え方
幼児期全般 間食は食事の一部。時間を決めて1日1〜2回を目安に、市販菓子の与えすぎに注意(支援ガイド)
3歳頃まで 乳歯が生えそろうまでは、弾力のあるものやピーナッツ・大豆などに配慮が必要(支援ガイド)
5歳以下 硬くてかみ砕く必要のある豆・ナッツ類は食べさせない。球状の食品は4等分する(消費者庁)
6歳頃 かむ力と飲み込む力を協調させて食べられるようになる時期とされる(消費者庁)

選び方の実践的なポイント

無添加という切り口でおやつを選ぶときに、公開情報から確認できる実務的なポイントを整理します。

原材料表示を確認する 「無添加」の文字だけでなく、原材料表示に何が並んでいるかを見ます。原材料は使用量の多い順に並ぶため、砂糖や油脂が先頭に近いほど量が多いことが分かります。

硬い豆・ナッツ類は年齢で判断する 硬さや粒の大きさが年齢に合っているかは、添加物の有無とは別の安全確認です。5歳以下には硬い豆・ナッツ類を食べさせないことが消費者庁の示す基準です。

「間食は食事の一部」という前提で量を決める 何を選ぶか以前に、時間を決めて1日1〜2回にとどめる与え方自体が、むし歯予防と生活リズムの両面で勧められています。

砂糖不使用と無添加を混同しない 「無添加」は添加物の使用有無についての表示で、糖分の量とは別の話です。むし歯が気になる場合は、栄養成分表示の糖類の欄もあわせて確認します。

よくある質問

おやつは何歳から市販のお菓子にしてよいですか

一律の年齢基準はありません。支援ガイドは、乳歯が生えそろう3歳頃までは弾力のあるものやピーナッツ・大豆など、噛み切りにくく詰まりやすい食品への配慮が必要だとしています。また、硬い豆・ナッツ類を含むお菓子は5歳以下には食べさせないよう消費者庁が求めています。

「無添加」のお菓子なら量を気にしなくていいですか

いいえ。無添加表示は添加物の使用有無に関する任意の表示で、糖分や脂質の量とは別の基準です。間食は3回の食事で不足するエネルギーや栄養素を補うものという位置づけなので、無添加かどうかにかかわらず時間と量を決めて与えるのが基本です。

むし歯予防のために避けたほうがよい間食の与え方はありますか

厚生労働省の平成27年度調査では、むし歯のある子どもの保護者は「欲しがるときにあげることが多い」「甘い飲み物やお菓子に偏ってしまう」と回答した割合が、むし歯のない子どもの保護者より高くなっていました。因果関係を示す調査ではありませんが、時間を決めて与え、甘いものに偏らせない与え方の参考になります。

ナッツ類のお菓子はいつから与えられますか

消費者庁は、豆やナッツ類など硬くてかみ砕く必要のある食品は5歳以下の子どもに食べさせないよう求めています。支援ガイドの「3歳頃まで」はかむ力の発達の目安で、解禁の年齢ではありません。小さく砕いても気管に入ると肺炎や気管支炎のリスクがあるとされています。

上の子がナッツを食べていて下の子が欲しがるときは

消費者庁の資料は、兄姉がいる家庭では兄姉が豆やナッツ類を食べていて欲しがっても、乳幼児には食べさせないよう呼びかけています。きょうだいで同じおやつを食べる場面では、置き場所や出すタイミングを分けておくと防ぎやすくなります。

菓子類の「無添加」表示で見るべき添加物は何ですか

合成着色料・合成保存料の不使用を掲げる商品が多いですが、香料・乳化剤・膨張剤・調味料(アミノ酸等)などは一括名表示が認められているため、「無添加」の文字だけでは判別できません。何を使っていないかを具体的に書いている商品を選び、原材料表示の全体を確認するのが確実です。

ブドウやミニトマトをおやつにするときの注意は

消費者庁は、ミニトマトやブドウなど球状の食品を丸ごと食べさせると窒息のリスクがあるとしています。4等分してから与え、食べるときは座らせて、遊びながらや歩きながら食べさせないようにします。

間食の適切な回数・タイミングはありますか

支援ガイドは、時間を決めて1日1〜2回を目安とし、生活のリズムを整えることを勧めています。平成27年度調査でも、時間を決めて与えている保護者の割合はむし歯のない子のほうが高くなっていました。

まとめ

子どものおやつは、食事で不足しがちな栄養を補う「食事の一部」として考えると、選び方も与え方も判断しやすくなります。硬い豆・ナッツ類は5歳以下には食べさせず、球状の食品は小さく切るのが消費者庁の示す基準です。無添加表示は添加物についての任意の表示で、糖分や窒息のリスクとは別の軸にあたります。原材料表示、アレルギー表示、栄養成分表示をそれぞれ別の観点で確認し、時間と量を決めて与えることが、無添加かどうかにかかわらず基本になります。

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出典(いずれも2026年10月4日確認)

  • 消費者庁「食品による子どもの窒息・誤嚥(ごえん)事故に注意!」(令和3年1月20日) https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_047
  • 消費者庁 同ニュースリリース本文PDF https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_047/assets/caution_047_210120_0001.pdf
  • 令和3年度厚生労働行政推進調査事業(研究班)「幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド【確定版】」(令和4年3月) https://www.niph.go.jp/soshiki/07shougai/youjishokuguide/YoujiShokuGuideKakutei.pdf
  • 厚生労働省「平成27年度乳幼児栄養調査結果の概要」 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000134460.pdf
  • 消費者庁「食品期限表示の設定のためのガイドライン」(食品表示基準Q&A別添) https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_260401_30.pdf
  • e-Gov法令検索「食品表示基準」(平成27年内閣府令第10号、令和8年4月1日施行版) https://laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/427M60000002010
  • 消費者庁「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」(令和4年3月30日) https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_220330_25.pdf
  • 商品・サービス情報は各社の公式サイト

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