NOV(ノブ)は1985年に「臨床皮膚医学に基づく化粧品」として誕生したスキンケアブランドです。商品化の前にパッチテスト、スティンギングテスト、ノンコメドジェニックテスト、アレルギーテストを行い、そのうえで公式は「すべての方に、皮膚刺激やアレルギーが起こらないわけではありません」と注記しています。公式サイトに「無添加」という言葉は見当たらず、無添加化粧品を名乗るブランドではありません。
この記事では、ブランドの成り立ちと処方の考え方、シリーズごとの価格と医薬部外品・化粧品の区分、「低刺激」という表示の読み方を、公式サイトと日本化粧品工業会のガイドラインをもとに整理します。実際に使った感想ではなく、公開情報にもとづく整理です。
NOVはどんなブランドか
NOVは、常盤薬品工業株式会社(ノエビアグループ、1954年2月設立)が展開するスキンケアブランドです。
公式の「NOVについて」によると、きっかけは「皮膚の悩みが気になる方でも、心地よく使える化粧品はないか」という声でした。成分による皮膚トラブルを背景に、皮膚に悪影響を与える成分を取りのぞく考えで開発が始まったとされます。対象は敏感肌やにきび肌など皮膚のトラブルが気になる人です。皮膚の専門家との協力や大学との共同研究を続け、その結果は学術専門誌にも掲載されていると紹介されています。
NOVの特徴
原料の選定基準と4つの基本
原料は、品質、安全性、精製度などNOVの基準をクリアしたものだけを使用しているとされています。スキンケアの基本は「洗浄」「保湿」「遮光」「メイク」の4つと位置づけています。
商品化前の複数の試験
商品化の前に、パッチテスト、スティンギングテスト、ノンコメドジェニックテスト、アレルギーテストを行うと公式は説明しています。発売後も皮膚トラブルが起こりにくいことを継続して調査し、改良に反映させているそうです。Ⅱ シリーズでは全品共通の特徴として、無香料・無着色・低刺激性・アルコールフリー・パッチテスト済み・スティンギングテスト済み・アレルギーテスト済みが挙げられています。
何を除いているかは成分表で確かめる
「悪影響を与える成分を取りのぞく」という考え方は示されていますが、具体的に何を除いているかの一覧は公式に見当たりません。たとえば Ⅱ シリーズのクレンジングクリーム、ウォッシングクリーム、フェイスローション、モイスチュアクリームの全成分には防腐剤のメチルパラベンが入っています(モイスチュアバームの全成分にはありません)。試験と原料基準で低刺激性を設計しているブランドと捉えるほうが実態に近いと考えます。
肌の状態に合わせて選べるシリーズ展開
とてもデリケートな肌、乾燥性の敏感肌、にきび肌、年齢による変化が気になる肌と、状態別にシリーズを分けているのが構成上の特徴です。Ⅲ シリーズのように化粧水が3タイプ用意されているシリーズもあります。Ⅱ シリーズは2026年8月20日にパッケージのデザインがリニューアルされました。
NOVのシリーズ比較
公式ブランドサイトで確認できる主なシリーズを整理すると次のとおりです。価格は税込です。
| シリーズ | 主な対象 | ラインの特徴 | 化粧水の容量と価格(税込) |
|---|---|---|---|
| ノブII | とてもデリケートな肌 | 洗浄から保湿までの基本構成 | 120mL 4,400円 |
| ノブIII | 乾燥や肌あれが気になる敏感肌 | バリア機能に着目しセラミド3を配合 | 120mL 4,400円(L・R)、4,730円(EX) |
| ノブL&W | 敏感肌で年齢による変化が気になる肌 | ナイアシンアミド配合のリフトエッセンス(医薬部外品)5,500円など | エンリッチローション120mL 4,950円、EX 5,280円 |
| ノブACアクティブ | にきびを繰り返しやすい肌 | にきび肌向けに洗浄から保湿までを網羅 | 135mL 3,300円 |
| ノブAC | にきびのある肌 | シリーズ全体で2,200円(クレンジングジェル)〜3,080円 | 120mL 2,420円 |
| ノブA | にきびを含む肌あれが気になる肌 | アクネフォームなど単品で選びやすい | アクネローション100mL 1,320円 |
| ノブUV EX | 敏感肌・にきび肌の紫外線対策 | 紫外線吸収剤不使用。日焼け止めはSPF32〜50+。ほかにリップケアクリームUV(SPF13・PA++)1,320円 | 日焼け止め2,200円〜3,300円 |
| ノブベビー | 0歳からの赤ちゃんの肌 | 全身用の洗浄料と保湿乳液 | ミルキィローション120mL 1,320円 |
Ⅱ・Ⅲ・AC・ACアクティブには1週間分のトライアルセット(各1,650円)があります。迷ったときは乾燥が主な悩みかにきびが主な悩みかで大きく分け、そのうえで使用感の好みで選ぶと絞り込みやすくなります。
医薬部外品か化粧品かは商品ごとに違う
NOVの商品がすべて医薬部外品というわけではありません。公式サイトは商品ごとに区分を表示しています。
| シリーズ | 区分の表示 | 主な商品と税込価格 |
|---|---|---|
| ノブII | フェイスローションとモイスチュアクリームは医薬部外品。クレンジングクリーム、ウォッシングクリーム、モイスチュアバームは区分表示なし(化粧品) | クレンジングクリーム110g 4,400円、ウォッシングクリーム110g 4,400円、モイスチュアクリーム50g 5,500円、モイスチュアバーム30g 3,300円 |
| ノブIII | 主要商品が医薬部外品。トライアルセットは全品医薬部外品 | バリアコンセントレイト30g 5,500円、モイスチュアクリーム45g 4,950円、バリアクリームUV(SPF45・PA+++)4,400円 |
| ノブL&W、AC、ACアクティブ、A | 主要商品が医薬部外品。トライアルセットは全品医薬部外品 | 上の比較表を参照 |
Ⅲ のバリアクリームUVとACアクティブのデイクリームUVは、紫外線吸収剤不使用で石けんで落とせると公式に記載されています。区分が違えば表示できる内容も変わるので、パッケージの区分表示を見て選んでください。
「低刺激」「敏感肌向け」という表示の読み方
どこまでを「低刺激」と呼ぶかは、各メーカーが自社基準と試験に基づいて判断しています。同じ表示でも、根拠となる試験や控えている成分の範囲はブランドごとに違います。
業界の自主基準として、日本化粧品工業会の「化粧品等の適正広告ガイドライン」があります。2026年7月24日版では、「アレルギーテスト済み」などの表現について、キャッチフレーズにしないことと、デメリット表示を近くに記載することを求めています。デメリット表示とはすべての人に反応が起きないわけではない旨の但し書きのことです。「低刺激」などの表現も、客観的に立証されていない場合などは行わないこととされています。化粧品公正取引協議会の公正競争規約にも関連する決まりがあるとされます。規約の内容は、最新の情報は公式サイトでご確認ください(2026年10月5日確認)。
同じガイドラインでは、「敏感肌用」「乾燥肌用」のように「用」をつける表現は認められる一方、「敏感肌専用」のような表現は認められていません。表示を見るときは「用」と「専用」の違いも手がかりになります。
各テストの意味も押さえておくと表示を読みやすくなります。パッチテストは皮膚に長時間つけて刺激やかぶれの有無を見る試験、スティンギングテストは塗ったときのピリピリ感など感覚的な刺激の起こりやすさ、ノンコメドジェニックテストはにきびの原因になるかどうか、アレルギーテストはアレルギーが起こらないかどうかを確かめる試験です。いずれも誰にも反応が出ないことを保証するものではなく、NOV自身も「※すべての方に、皮膚刺激やアレルギーが起こらないわけではありません。」と明記しています。
自分の肌に合うかは、二の腕の内側など目立たない部分に少量塗って様子を見てから顔に使うという手順で確かめるのが基本です。医療機関で行うパッチテストの代わりにはなりません。NOVは商品のサンプルやテスターを用意しています。アトピー性皮膚炎など診断のついた症状は化粧品で対応するものではないため、皮膚科の治療を優先してください。成分の見方は化粧品の全成分表示の読み方も参考になります。
こんな人に向いていそうか
・化粧品を使うと肌がかゆくなったり赤くなったりしやすいと感じている人
・季節の変わり目や体調によって肌の調子が揺らぎやすい人
・皮膚科での相談をきっかけに、低刺激性をうたうスキンケアを試したい人
・自分の肌質に合わせてシリーズを選び分けたい人
・洗顔料からクリームまでラインでそろえたい人
一方で、価格を最優先したい人や香りの楽しさを重視したい人には別のブランドが合う場合もあります。低刺激性を掲げるスキンケアでも、感じ方は人によって差があります。赤みやかゆみなど気になる症状があるときは使用を中止し、皮膚科など医療機関に相談してください。
購入前に確認しておきたいこと
・自分の肌悩みに近いシリーズを選べているか
・化粧水に複数タイプがあるシリーズでは、使用感の好みに合っているか
・医薬部外品と化粧品のどちらにあたる商品か、パッケージの表示で確認する
・正規取扱店か公式オンラインショップで買うか
・皮膚科に通院中の場合、使用してよいか担当医に確認したか
よくある質問
Q. IIシリーズとIIIシリーズはどう違いますか。
IIシリーズはとてもデリケートな肌を対象にした基本構成で、無香料・無着色・アルコールフリーなどが全品共通の特徴です。IIIシリーズは乾燥や肌あれが気になる敏感肌向けで、バリア機能に着目しセラミド3を配合していると説明されています。IIIは化粧水がL・R・EXの3タイプあります。
Q. どこで買えますか。
公式は、医療機関をはじめ調剤薬局、バラエティショップ、ドラッグストアなどの正規取扱店と、ノエビアグループが運営する公式オンラインショップのみで販売しているとしています。それ以外のネット通販は正規の販売経路ではありません。
Q. 医薬部外品と書かれた商品がありますが違いは何ですか。
医薬部外品は、有効成分の働きについて国が認めた範囲の表現をパッケージに記載できる区分です。効能の表現の幅が広いというだけで、刺激の有無とは別の話です。NOVでは同じシリーズ内でも区分が分かれることがあります。
Q. アトピー性皮膚炎でも使えますか。
化粧品は皮膚疾患の治療のためのものではありません。診断のついた症状がある場合は皮膚科の治療が基本になります。スキンケアの併用については担当医に相談してください。
Q. 無添加化粧品ですか。
公式サイトに「無添加」という表現は見当たりません。Ⅱ シリーズの化粧水などには防腐剤のメチルパラベンが入っています。化粧品の「無添加」には法令上の統一された定義がないため、何を配合していないかは全成分表示で確認する必要があります。
Q. トライアルセットから始めたほうがよいですか。
Ⅱ・Ⅲ・AC・ACアクティブには1週間分のトライアルセットが1,650円(税込)で用意されています。使用感を確かめてからフルサイズに移る方法は価格の面でも試しやすくなります。
Q. 商品について相談できる窓口はありますか。
お客さま相談室(0120-351-134)があり、受付は9:00〜17:00で土日祝日は休みです。
低刺激や敏感肌向けという表示には統一された基準がありません。ブランドごとの考え方の違いは無添加コスメの比較ガイドで見比べられます。
敏感肌スキンケアの記事
NOVのように臨床皮膚医学に基づくとうたうブランドでも、低刺激の設計や安全性試験の内容は公開情報で確かめる必要があります。ブランドごとの違いを比べる目安にしてください。
16ブランドを横断して比較したい場合は無添加コスメ16ブランドの情報公開度スコアで、全成分表示・不使用根拠・価格帯などを一覧で確認できます。
まとめ
NOVは1985年に臨床皮膚医学に基づく化粧品として誕生し、原料基準と商品化前の4種類の試験で低刺激性を設計してきたブランドです。シリーズは肌の状態別に分かれ、化粧水は1,320円から4,950円まで幅があります。医薬部外品か化粧品かは商品ごとに異なり、Ⅱ シリーズの化粧水にもメチルパラベンが入るなど、無添加をうたうブランドではありません。「低刺激性」やテスト済みの表示は全員に反応が出ないことを保証するものではないため、正規の販売経路で購入し、サンプルやトライアルセットで肌に合うかを確かめてください。
出典(いずれも2026年10月4日確認)
- 常盤薬品工業株式会社「ノブ公式ブランドサイト トップ」https://noevirgroup.jp/nov/brand/default.aspx
- 常盤薬品工業株式会社「会社概要・沿革」https://www.tokiwayakuhin.co.jp/cojp/company/outline.aspx
- 常盤薬品工業株式会社「NOVについて」https://noevirgroup.jp/nov/brand/about/index.aspx
- 常盤薬品工業株式会社「ノブ Ⅱ シリーズ」https://noevirgroup.jp/nov/brand/product/nov2.aspx
- 常盤薬品工業株式会社「ノブ Ⅲ シリーズ」https://noevirgroup.jp/nov/brand/product/nov3.aspx
- 常盤薬品工業株式会社「ノブ L&W シリーズ」https://noevirgroup.jp/nov/brand/product/lw.aspx
- 常盤薬品工業株式会社「ノブ ACアクティブ シリーズ」https://noevirgroup.jp/nov/brand/product/acactive.aspx
- 常盤薬品工業株式会社「ノブ AC シリーズ」https://noevirgroup.jp/nov/brand/product/ac.aspx
- 常盤薬品工業株式会社「ノブ A シリーズ」https://noevirgroup.jp/nov/brand/product/a.aspx
- 常盤薬品工業株式会社「ノブ UV EX シリーズ」https://noevirgroup.jp/nov/brand/product/uv.aspx
- 常盤薬品工業株式会社「ノブ ベビーシリーズ」https://noevirgroup.jp/nov/brand/product/baby.aspx
- 常盤薬品工業株式会社「商品のご購入」https://noevirgroup.jp/nov/brand/buy/index.aspx
- 日本化粧品工業会「化粧品等の適正広告ガイドライン(2026年7月24日版)」https://www.jcia.org/user/common/download/business/guideline/appropriateadvertising/20260724_AppropriateAdvertising_Guideline-2.pdf
アイキャッチ画像は無添加ノートが作成したイメージで、実際の商品・サービスの写真ではありません。